2015年にフランス・パリに渡航しました。私と同じ障害を持つフランス人の友人に会うことが目的でした。

パリ市内の移動については地下鉄にエレベーターがなく、街も段差が多く、決してバリアフリー化が進んでいるとはいえませんでした。にもかかわらず、多くの車椅子使用者を見かけました。

不思議で仕方なかったのですが、街を歩いていると車椅子が歩道の段差に引っかかるたびに、通行人が落とし物を拾うような感覚で黙って助けてくれ、その理由がわかった気がしました。ほんの一部しか見ていませんが、フランスでは効率性よりも、他人とコミュニケーションを取ることに重きが置かれているように感じました。気軽に声をかけるパリ市民の温かさに惹かれていきました。

そんなパリで帰国前日に同時多発テロが発生しました。話すことを何よりも大切にしているパリ市民が、対話することもできないまま無言で殺されていったこと考えると心が痛みます。ヨーロッパの抱える様々な社会問題の複雑さについても強く認識させられました。